観音経意訳絵本・第七巻「ふくうけんさくかんのん」

あとがき

     本巻から、いよいよ舞台は【人間界】になります。
つまり、この世界を生きる上での【難】と向き合うことにるのです。まず最初は【鎖の難】。
 絵本と言うメディアで観音様のことを描こうとした理由は、是非とも子供たちに伝えたいことがあると思ったからです。
その子供たちに人間界の【鎖の難】を説明するのは、難しいかもしれないと危惧したのは、束の間でした。
もしかしたら、子供たちこそ【鎖の難】を切実に感じてるのかも知れません。
 親や、学校から【良い子】という大人に都合のいい子供像を押し付けられ、それに縛られてる姿は、まさしく【鎖の難】です。
 私は、この絵本シリーズによって【良い子】を作ろうとしている訳ではありません。
あえて言うと、その逆です。大人としっかり戦える子供に育ってもらいたいのです。
幼い頃からでも、自分の生きる道を考えられるような子供です。
 なぜなら、大人は、自分の都合のいいように子供を教育しようとします。
そうして育てられた子供は、同じように自分の思うように人を縛ろうとするからです。

神仏絵師・昌克
2018年4月

 
 
 

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