とても人気のある観音経ですが、私には、大きな疑問がありました。
それは、前半と後半の内容が表現は少し違うものの、内容がダブってることでした。
その点については、後半部分は「偈(げ)」と呼ばれる歌の形式であるから、
あくまでも表現の違いであって、別に内容はダブっていてもいいのだ。
という意見がほぼ暗黙のうちに認められているようです。
また、後半は後で付けられたものだという事実もあるようですし。
でも、私はずっと納得できていなかったのです。それなら前半と後半の順番が違うし、表現も少し違う。。。
そういう疑問を抱きながらも、観音経の解説本「観音経絵を読む」の執筆を続けていたのです。
そんな中、いっそ思い切った意訳文にしてみよう。と挑戦してみたところ、
完成間際の意訳文を見ているうちに、衝撃が起こりました。
全身に電気が走った感じです。まるで大きな扉が開いたようでもありました。
ダブっていた箇所と言うのは、主に一番重要な「七難の救済」の部分であります。
そして、ダブっていたのは、強調のためでは無かったのです。
そのあたりを注意してご覧いただければ幸いです。
もちろん、御専門の皆様からは、異論もございましょうが、素人目線だと思ってご容赦ください。