観音経意訳絵本・第九巻「にょいりんかんのん」

あとがき

　　　　　二千十伍年の九月に皆様のご支援のもと、第一巻を出版してから、
ほぼ三年で、この第九巻へとたどり着けたのは、やはり皆様からのご支援があってこそでございます。重ねて感謝いたします。　
そして、この巻で【七観音】が勢揃いし、全二十巻の前半を締めくくるという祈念すべき巻でございます。
また、内容的にも前半のまとめの巻でもあるので、今回の内容には、復習的な要素が欠かせないことから、
今までの巻を読んでいただいた方が理解が深まるかもしれません。
　【六道】の中でも、【人道】の上にある【天道】は、その受け取り方が難しいところだったのですが、
それを救ってくださる【如意輪観音さま】が示す【力難】のことを考えると自ずと答えは見つかりました。　
【天道】に住まわるは、人智を越えし方々。故に、その力とは、人の営みに影響を与えすぎる。
過ぎたる【力】は、強者と弱者を生み、ともすれば正義と悪をも決めかねない。
　【力】を持つ者は、それを使うことによる結果と影響を自覚すること。
【力】を競いあうのではなく、互いに支えあうべきではないかと思う次第です。

神仏絵師・昌克
2018年9月